心のノートって知ってますか?小中学校に配布されている補助教材のことです。
心のノートに関して賛否両論あるようですが、はたしてどんな意見が出ているのでしょうか。
心のノートをご存知でしょうか。心のノートとは文部科学省が2002年4月に、全国の小中学校に配布した道徳の補助教材のことです。子供に道徳を通して「生きる力」育ませることを目的としています。小学生向け「1・2年生、3・4年生、5・6年生」の3種類で小学校低学年向けは「こころのノート」と表題もひらがなになっています。中学生向けの「心のノート」もあります。この心のノートは心理学者の河合隼雄氏を中心に製作されました。補助教材ですから教科書のような厳しい審査がなくあまり話題にもならなかったので、知らない方も多いのではないでしょうか。実際問題、心のノートは事実上の国定教科書であり日本の教科書検定制度に反しているのではとする主張や、内容に教育勅語や修身教科の意味合いが見てとれるとして批判の対象となること多いようです。また、実際問題として心のノートが学校の授業でほとんど使われていないということもあり、この冊子を作るのに多額の税金が用いられていたということも問題となっているようですね。
心のノートは平成14 年度から全国すべての小中学校に配布されているわけですが、
文部科学省の指導案によると要するに、心のノートを活用することで道徳教育を充実させようということです。心のノートは子供たちに身につけてほしい道徳の内容を、カラーイラストやわかりやすい文章で表したものですから、生きる力というものを身につけるために、また自ら道徳性を育むために心のノートは重要であるといいます。確かに今は何かと不安定な時代ですから、今一度真剣に「道徳」いうものを見直す必要があるのかもしれません。21世紀の教育を語る上で最も重要なことは子供たちの生きる力の育成といえます。素晴らしい理念だと思います。そして生きる力の中核となるのは豊かな人間性であり、豊かな人間性とはまさに道徳性そのものです。したがって心のノートで道徳性を育むことが大事である、と文部科学省はこう述べているわけです。また、識者の意見にも心のノートの活用の場としていわゆる道徳の時間だけではなく、日常生活や教育活動全般においても活用してよいものとしています。まさに子供の道徳学習の日常化を目指したものといえると思います。
実はこの心のノートには批判もけっこうあります。まずよく言われているのが、税金の無駄遣いであるという点です。心のノートは前編カラーイラストで全国に配布ということで、2002,03年の2年間だけで10億円以上の予算を使い製作されました。もちろん今もって配布されています。しかし実態としてこの心のノートは授業でも使われておらず、教室に放置されているといいます。これでは無駄遣いという意見がでてくるのも仕方ないかもしれません。次に中学校版の心のノートの中での「我が国を愛しその発展を願う」という内容にも問題があると言われています。心理学者の伊藤哲司氏はその著書「心理学者が考えた心のノート逆活用法」の中で、心のノートは『子どもたちに道徳の「心」を教え込み、ひいてはそれを「愛国心」に結びつけたいとする国家の意図が、一見ソフトに、しかし色濃く反映されたノート』であると位置づけています。なるほどそうみてとることもできますね。心のノート作成の中心となった心理学者の河合隼雄氏は、きっと心から日本の行く末を考えて作ったのでしょうが・・・なにやら複雑な気分になりました。